鹿児島県 徳之島 伊仙町

徳之島伊仙町

2023年6月に鹿児島県の徳之島に行った。
2021年に奄美大島と合わせて世界自然遺産に登録された地域。
忘れたくないけど残しておかないと忘れてしまうので、備忘録として。

今回紹介するおすすめスポットは、1日で回れないこともないけど、
かなりアドベンチャーなので、体力と相談しながら複数日に分けてもいいかもしれない。

徳之島伊仙町の基礎情報

  • 行き方 :羽田空港8:05→鹿児島空港9:55、鹿児島空港11:20→12:45
  • 目安費用:合計 約13〜15万円程度
    飛行機運賃90,260円、島でのレンタカー代21,670円、宿代(幸の宿という宿に宿泊)23,100円(+ガソリン代、食事代等)

徳之島伊仙町のおすすめスポット

  • 小原海岸(こばるかいがん)
  • 小島 暗川(くらごー)
  • 犬田布岬(いぬたぶみさき)
  • そのほか

小原海岸(こばるかいがん)

徳之島空港からレンタカーで30分くらいのところにある海岸。
東シナ海を望む海岸と、通常海から船で見ることしかできない「小原の滝(ウトゥムジの滝)」を目的として、波打ち際まで降りていこうと思う。

名前こそ海岸と呼ばれているが、実際のところ車で行けるのは海面から100mくらいの高さの「崖の上」までで、海岸に行くにはその崖をひたすらに降りていかなければいけない。
徳之島観光連盟のHPによれば、島民でも行ったことのない人がいるようなアドベンチャースポットらしい。ちなみに、海岸まで降りていく場合、水の流れる坂を避けずには辿り着けないので、長靴か、少なくとも防水仕様の靴を履いていった方が良い。
(徳之島観光連盟:http://www.tokunoshima-kanko.com/tourist_spot/kobaru/



崖の上には車が何台か停められるスペースと、展望台がある。
島民でもきたことがないというほどなので、この海岸に来ている人も私たち以外にはいなかった。

ちょっとした休憩スペースのような展望台には下の写真のような看板があった。



小原海岸は隆起した珊瑚礁の海岸で、
かつては、珊瑚礁の窪みの部分に溜まった海水が太陽光で温められてできる「天然温泉」として
湯治客で賑わっていたらしい。
この海岸までの道のりを往復した後にこの看板をみると、
「この崖を歩けるのであれば湯治は必要ないのでは???」と思うほど湯までの道のりは険しかった。

海岸に降りていく道のりはかなりハードで、斜度40°を越えようかという坂道や、
うっそうとした熱帯植物の林、水の流れる岩場などを張られたロープを頼りに降りていく。
しかも、頼りのロープも場所によってはあまり強く張られていないところもあるので、
片手でロープ、片手で足元の岩、というように全身を使いながら進む必要がある。

水が流れる足場


あまりに辛いので道中置いてある無数の「時計」にも特に恐怖を感じることなく先へ進んだ。
心霊現象も圧倒的な肉体活動の前には到底意味無しなのかもしれない。
(この時見た時計はあとで聞いた話によると、かつてここに住んでいた人が置いていったものらしい。結構たくさんあるので、当時の人は東京のビジネスマン顔負けの時間意識を持っていたに違いない。)

1時間くらい進んだだろうか。(あとで写真を確認したら30分しか経っていなかった。)
急に目の前が開けて、海岸が広がった。
砂と岩が入り混じった海岸で、よくみると海に近い方がゴツゴツした岩場、山側に砂が溜まっている。

海岸に出てからさらに100mほど進むと落差30mの「小原の滝(ウトゥムジの滝)」を間近でみることができた。
なるほど、確かに絶景だ。ほぼ海のところに直接滝が降り注ぐのも珍しいらしい。
珊瑚礁が隆起してできた海岸というだけあって、滝の周りには鍾乳石が露出しているのがわかる。



ここまでの道のりのハードさも相まって黙ってただ無心に滝を見つめることができる。
今から崖の上に戻るのか、と思うと気が重くてならない。
そんなことを考えていたら、湯治場の写真を撮るのを忘れた。

(所要時間:2時間弱)

暗川(くらごー)

先ほどの小原海岸とは打って変わって森の中にある鍾乳洞。
かつて観光スポットとして賑わったらしいが、今は詳しい場所が非公開とされていてあまり人は来ていない。
しかし、地元の人に聞けば場所は多くの人が場所を知っているようで、聞けば辿り着けるかもしれない。

暗川というのは近隣の島々にもある地名のようで、
洞窟の中にある水をくみ上げることができる場所のことを指すっぽい。

ここも同様の使われ方をしていたらしく、
島の中でも貴重な真水が洞窟の中を流れており、奥には真っ暗闇の中に滝がある。
今回はその滝を目標に進んでいく。

まず入口だが、これまた険しい。
地上から2〜30mくらい下のところに洞窟の入り口があり、まずはそこに向かって降りていく。
近くに水が流れているので、滑りやすそうな地面をしている。
このあとの洞窟内部でも、膝下まで水に浸かりながら進む場所があるので、
防水仕様の靴か、つなぎのようなもの+ヘルメットを装備していくことを強くおすすめする。

(暗川の入り口から上を見上げた様子。入口の写真は撮り忘れた、ごめん。)

鍾乳洞に入った後はただ進んでいくのみ。
少し進んだ後からは完全に光が入らなくなるので、
懐中電灯の光を頼りに進んでいくしかない。


途中にはエビやクモなどの生き物がいた。

(この下クモ画像あり。閲覧注意。)

特にクモなんかは水しぶきを受けて、全身に水滴を纏わせておりかなり綺麗だった。
地元の人曰く、「洞窟の中にはまだ発見されていない生き物がいるかもしれない。このクモも新種の生き物の可能性だってある。」とのこと。
学者の方、もしこれが本当に新種なら僕の名前を使ってもらえませんか、、



そんなこんなで、鍾乳洞らしく石筍と言われる岩石や、地層の境目などを見ながら進み滝にたどり着いた。
懐中電灯がなければただ轟音が鳴り響くのが聞こえるだけだが、
光をつけてみてみると圧倒的大迫力の滝である。
(お察しの良い方はお気付きだろうが、鍾乳洞内の写真は暗すぎてほとんどが使い物にならなかった。滝の様子はこちらの南海日日新聞さんの記事の写真がよくわかるので、気になる人は見てみてほしい。)

滝の奥を抜けると出口まで貫通しており、海原を望めるスポットだそうなのだが、
今回は時間の関係で断念。
足元に気をつけながら、来た道を戻って帰った。

(所要時間:1時間強)

犬田布岬(いぬたぶみさき)

最後は犬田布岬。
1つ目の小原海岸から程近く車で行くことができる、奄美十景の一つ。
メインの見どころは広場と、その奥の崖から望む絶景である。

駐車場の近くに「やまと」という民宿と喫茶店がある。
最近徳之島は国内でもすくないコーヒー豆の生産地として市販化を目指しているらしく、ここの喫茶店では徳之島産の豆を使ったコーヒーを出していると聞いた。
(僕が行った時には運悪く営業しておらず、いけなかった。)
徳之島は古くからサトウキビの産地だそうで、黒糖を入れて飲んだらきっと美味しいだろうなぁ。

広場の方へ進むとかなり広い芝生の広場と、塔がある。
この塔は戦艦大和の慰霊塔で、高さが大和の司令塔と同じ24m。
ここに建てられたのは、元乗組員の『徳之島西方二〇浬ノ洋上、「大和」轟沈シテ・・・』という証言かららしい。(実際のところ戦艦大和は別の場所に沈んでいるということがわかっている。)

慰霊塔からさらに海岸の方へ進んでいくと、整備された階段があり、海岸絶壁のキワまで近づくことができる。
当然、海を覗くことができるのだか、これが驚くほど綺麗なんだ。
写真を見てほしい。
言葉はいらないと思う。


海底に光るサンゴ、白い波しぶきまで全てが光って見える。
この日はスーパーで買ったお弁当を駐車場の屋根の下で食べた。


その他

旅の最中に食べたご飯や、立ち寄ったスポット

お昼:みよ食堂

喜念浜に向かう道

最後に

徳之島はかつて琉球王国に属していた過去もあってか、言葉や文化が沖縄に近い印象を受ける。
難読地名も多い。それらのいくつかは琉球方言への当て字らしく、犬田布岬などは「祈る」を語源としているのでは?と現地の人が言っていた。

島内には樹齢300年と言われるガジュマルの木や、
今回行くことのできなかった太平洋側の海岸などの自然、
そして島の一大イベントである闘牛など、
自然に対するリスペクトを強く感じる文化も残っており、
東京では感じられない、非常にスピリチュアルなアドベンチャーだった。

少々お金はかかるが、時間があればぜひ行ってみてほしい。


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